第一章 二人で

6/18
前へ
/37ページ
次へ
「言いたくないなら言わなくて良いよ……」 俺の困惑を察したのかミズホがそうフォローを入れた 「それより身体拭いてあげる!!よいしょっ」 アケミに拭いて貰った時は何とも思わなかったが、ミズホに拭いて貰った時だけは、何故か母さんが重なった 幼い頃の、晴れの日・・・優しい方の母さんが…… 俺の身体を拭き終えるとミズホとアケミは俺に、ジョークの一発を共に浴びせて部屋を出ていった 急に静かになった病室は、寂しく ただ白い天井に視線を這わせることしか俺には出来なかった その白い天井は俺を物思いへと誘い 昔の記憶を呼んだ その度に俺の背中のヤケドは疼くばかりだった
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加