0時間目:俺の家族がこんなに腐っているわけがない。

5/18
前へ
/83ページ
次へ
震える唇がそれだけをなんとか告げ、力の入らない足で立ち上がり準備室を飛び出していった少年を見送ると、白衣の『鳥居』と呼ばれた男は準備室の扉を閉めソファーに座ったままの男へと視線を向けた。 「また、告白か」 「…ん」 「人気者の宇野先生は大変だな」 「…っ痛い…」 「何が」 「嘘ついて可愛い生徒泣かして良心が死ぬほど痛んでるに決まってるだろばる兄いいいいい!」 「康は別に嘘はついてないだろ。片思いは辛いって言っただけで相手が勝手に解釈して勝手に諦めるだけだ」 「もう嫌だあああ!俺にホスト教師とか無理だったんだよモテる男風装ったって俺童貞だもん彼女だって手を握るぐらいしかしてないのにふられたばっかだもんつーか俺自分でヘタレって自覚してるのに俺様とか無理いいいい!」 「泣くな康!お前のその、S心を擽るつい構い倒して泣かせたくなるようなヘタレ本性を人前で出してみろ!生まれて25年守り通したバックバージンが半日で奪われるぞ!」 「それも嫌ああああ!」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1500人が本棚に入れています
本棚に追加