0時間目:俺の家族がこんなに腐っているわけがない。

10/18
前へ
/83ページ
次へ
「と言う訳でさ、これ以上生徒に手を出すホモ教師を増やす訳にはいかないんだよねえ」 出された緑茶をすすりながら、エエ声でとんでもない発言をぶちかましてくれるよこの人。 「遊也さん…俺そんな所に…」 「あら、素敵じゃないの。やっちゃん本当は先生になりたかったんでしょ?」 にっこり笑いながら、リビングに茶菓子と一緒に入ってきたのは俺の母親で、遊也さんの姉の麻由美。 自分の母親ながら、40代後半にもかかわらず、年齢不詳の美人さんだ。 「母さん…俺、普通の安定したサラリーマンに…」 「ハロワにも行かずごろごろしてた子に選択肢があるとでも思ってるの?」 …怖っ! 「それに、素敵じゃない!東雲学園といえば貴腐人仲間の中でも『息子に通わせたい全寮制男子校No.1』なのよ!」 「…き、貴婦人?」 「私だって、男に生まれていれば東雲学園に通いたかったわ…そして鬼畜風紀委員長×俺様生徒会長を間近で見たかったの…」 両手をお祈りポーズで背景に花とキラキラを飛ばしながら、夢見る乙女の顔でくるくると回る母親。 …うん。言っている言葉が半分以上理解できん。 「だからやっちゃん!ぜひ東雲学園で教師をしなさい。そして日々の萌えをママに報告してちょうだい!」 「意味わからん」 「遊ちゃん!やっちゃんをよろしくお願いするわね!」 「任せて姉さん。康之君を立派な教師にしてみせるよ!」 「違うわ!総攻め教師よ!」 「それは私が困る!」 俺を置いてきぼりで盛り上がる姉弟。 気付けば、俺は一週間後に東雲学園に就職して職員寮に入る事が決まっていた…
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1500人が本棚に入れています
本棚に追加