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兄のいきつけの美容室に放り込まれ、金髪に染められエクステを着けられ、帰りにショップに連れ込まれ買ったことも無い服や靴を山のように着せては脱がされ、生まれて初めて金のカラコンなんて入れられて。
そこまで徹底されてしまえばその恰好に不釣り合いな俺の性格を改善せざるをえなくなって…
一週間後、俺が学園に向かう日。
「完璧だ。お前なら何処に出しても恥ずかしくないホストだ」
「あ?俺を誰だと思ってんの。当たり前だろ」
「やっちゃん…頑張ってチワワ君を落としてね!」
「未成年には興味ねえ」
口を開けば上から目線。
世界は俺を中心に回って当然だ。
そんな態度を身につけ…られた筈だ。
「康之…」
「…兄貴?」
「絶対にお前のホストの勇姿を見に行くからなああああ!」
「ふわあああああ!?」
「お兄ちゃんっ!個人的には萌えるけど絶対人前でヘタレちゃ駄目よ!」
「やっちゃん!絶対に毎日報告してねっ!!」
全力で兄に抱きしめられ、目を輝かせる妹と母に見送られ、俺は東雲学園へと向かった…。
「お前の事は昴に頼んであるからなー!」
…すばる?
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