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「そして、王道学園には時代劇のようにお約束のストーリー展開が存在する。王道転校生が入ってきて、校門イベント、教室イベント…」
懇切丁寧に説明してくれたばる兄には悪いけど、さっぱり理解できない。
そんな事が本当にあるんだろうか。
「…ふむ、見事に理解できないと言った顔だな」
「ご、ごめんばる兄…折角説明してくれたのに」
「いや、俺も実際に体験するまでそんな事が本当に起きるとは思いもしなかったよ」
「…実話なの!?」
「まあ、半分くらいはな。後で参考の為に、桃真に送りつけられた裏描写の無い王道小説を貸してやろう」
…………裏?
「ありがとうばる…」
「それだ」
「へ?」
「その『ばる兄』と言う呼び方だ。普段からそんな呼び方をしていては、イザと言うときにボロが出る。
今後は、普段からばる兄は禁止。ホスト教師に相応しい言動を心がけてもらおう」
「ほ、ホストらしいって…?」
「そうだな…『鳥居センセー』もしくは『昴』だ」
「す…昴…」
………は、なんか照れるんで。
「じゃあ、鳥居センセーで…?」
「うむ、俺もお前の事は『宇野先生』と呼ぶことにする。そうだな、昔からの知り合いだと知られないほうが好都合かもしれないな」
「うー…………」
なんだか、王道学園でホスト教師ってのは、思ったよりも大変そうだ。
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