1503人が本棚に入れています
本棚に追加
「出来るよね」
「…頑張ります。出来ることを」
「よし。頑張りなさい」
遊也さんの言葉に頷くと、いい子いい子と頭を撫でられて、励ますように肩を叩かれた。
「…さて。そろそろ時間かな」
「時間?」
「理事長。失礼します」
「ああ、入りなさい」
俺の言葉に重なるように理事長室の扉を叩く音がした。
遊也さんの言葉に入ってきたのは、
「うわ…」
兄貴や遊也さんで見慣れているはずの俺が、思わず見とれるぐらいの超絶美形さんだった。
モデルみたいな長い手足。
通った鼻筋に、猫科の動物を思わせるエメラルド色の透き通る切れ長の瞳。
軽く後ろで束ねた髪は、キラキラと綺麗に光る透き通るような銀の糸。
これを美形といわずして何を美形と言うのか。
「康之君、科学担当の布施虎次郎先生だ。生徒会の顧問もされていて、君に副担任を頼む1年S組の担任だよ。
布施先生。彼が今日から新しく英語の教師として迎える宇野先生です
教師として勤めた経験がほぼゼロなので、色々と教えてあげてください」
「宇野…?…わかりました。宜しく、宇野先生」
なにが引っ掛かるのか俺の名前を口の中で小さく呟くと、にっこりと綺麗に笑って俺へと右手を差し出した。
…でも、なんか。
「なんか気持ち悪い」
「は?」
「……(桃真、康がいきなりやらかしてくれたぞ…)」
最初のコメントを投稿しよう!