0時間目:俺の家族がこんなに腐っているわけがない。

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「せん…」 「嫌だ」 「っな、なんで!?」 きゅっ。と少年の緩んだネクタイを締め、脚の上に跨がっていた少年の腕の下に手を差し込んで持ち上げるとソファーの上へと移動させる。 「いつも言ってんだろ。俺はガキには興味ない。お前らの気持ちに答えるつもりはない」 「…っでも…先生が僕を好きじゃなくても…先生を好きでいても…いいですか?」 大きな瞳にこぼれそうな程涙をあふれさせ、見上げる頭をぐしゃぐしゃと撫で回し 「片思いなんか楽しいモンじゃねえぞ。見込みの無い相手なんかさっさと忘れた方が楽だ」 まるで経験者のような言葉に、少年は涙のたまったままの瞳をぱちぱちとまばたきさせ、軽く首を傾げる。 「先生…それって…」 「宇野先生。また生徒を準備室に連れ込んでいるんですか」
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