0時間目:俺の家族がこんなに腐っているわけがない。

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「いやあ…それはねえ…」 困ったように笑う、40代とは思えないダンディな美壮年。 素人目にもわかる、高そうなオーダーメードの英国製のスーツを夏だと言うのにビシッと着こなすその姿は憧れる。 足長いなあ…前髪をかきあげるその仕種と指が凄いセクシーで、思わず見とれてしまった。 「…恥ずかしい話、前任の英語の教師が問題を起こしてしまってねえ」 そしてこの、腰にクる低音セクシーボイス。 こんな声で愛を囁かれたらどんな女の人でも…って、え? 「問題、ですか?」 「そう。問題」 「遊也さんとこの学校って、なんか凄い学校なんですよね?」 確か、遊也さんの学校ってのは創立百年以上の名門校で、国内の大企業の息子だの政治家の息子だのと言った金持ち、権力者が大集合してる名門中の名門…と聞いた気がする。 そんな生徒を預かる訳だから、教師陣も超一流の教師を集めている…らしい。 そんな教師が… 「問題なんか起こすんですか?」 「うーん…」 困ってる顔もかっこいいよなあ… 「実はね、私の学校。東雲(シノノメ)学園は男子校なんだ」 「はい、それは知ってます」
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