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「ねえリストカットしたらあの子と同じものが見れるかな?」
チューハイを飲む手を止める。
ギョッとした顔であたしを見てくる流花が視界に入る。
「なにそれ?それこそゴーマンだよ」
「なんでよ?」
流花があたしのチューハイを奪い間接キス。
あたしのソルティードッグっ!
ムカついたあたしはさらに流花から奪い返して一気飲み。
「痛みを共有しても凜香ちゃんの心には触れられない。だいたい凜香の言葉は“対等”じゃなくて“上”からなんだよ」
流花はあたしの痛い所をズケズケと突く。
流花に言われてみれば、確かに凜香に対して対等じゃないのかもしれない。
じゃあ、なんで凜香のリストカットした腕を見ると心が痛いんだろう?
リストカットも男の人と遊ぶのも止めさせたい。
この気持ちは友達として心配してるだけ?
わからない。
答えを探そうとすると、さっき飲んだアルコールが思考を邪魔させる。
「じゃあ流花にはわかるの?」
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