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「申二ー今日どうするよー 」
友達の笛吹 天(うすい そら)が言う.そう、あれは放課後廊下を歩いていた時だった.
「ゲーセン行こうぜ.暇だし 」
「んだな 」
天が足をピタッと止める.
「どうした? 」
「見ろよ申二!! 」
「何を? 」
「あれ!! 」
ボソボソ話ながら天は少し前を指す.そこには窓から外を見つめている音弥がいた.
「音弥がどうした? 」
オレもボソボソと天に言う.
「どうしたじゃねぇよ!!芽衣ちゃんが1人でいるんだぞ!? 」
いや、うん、だから?
「芽衣ちゃんっていつも誰かに囲まれてんだろ!? 」
あー確かに.人気あるからな.
「今しかねぇだろ話しかけるなら!! 」
天とオレはあんまり音弥と話した事がない.話したとしても「あれ取って 」「いいよ 」ぐらいの会話だ.
別に無理して話しかけに行きたくないけど.
「天、行ってくれば? 」
「オレ1人で行けるわけねぇだろうが!! 」
天がデカイ声で言うから音弥がこっちを見たんだけど.
「ど!どうしよう申二!!こっちに来る!! 」
天、うっさい.
「2人共今帰り? 」
「あぁ 」
「ねぇねぇ芽衣ちゃん!! 」
天が音弥に言う.
「外見てたみたいだけど何かあったの!? 」
「うん!!最近雪が降るでしょ?アタシ雪が好きだから嬉しいんだ♪ 」
笑顔で音弥が言う.
「そっかぁ♪ 」
天が嬉しそうに言う.
好き?オレには…
「オレには雪が降ったのを嫌そうに見てるように見えたんだけど 」
その言葉に天が凍りついた.
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