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カイルは自分の身の丈ほどある大剣を背に背負い暗い森の中を一人駆け抜ける。
グループの命令は絶対。幼いカイルは死の恐怖から抗う事もせず命令を遂行していた
「僕は…死にたくない…!」
目標の男が住んでいる屋敷に到着したカイルは心を落ち着かせ屋敷内に踏み込んだ。
そして警備の男達を持ち前の腕力を使って自分の身の丈ほどある大剣でなぎ払った。
カイルは屋敷内の人間を一通り殺し、目標の男がいる部屋の扉を開けた。
「ん?なにかね?君は
誰か!子供が入っているぞ!…おい!!」
「もうここにいるのは貴方だけですよ。他の皆は僕が…殺したから」
カイルはそう言いながら剣を構えた。
「な、なにを…」
カイルは慌てふためく男に詰め寄り剣を振り上げた。
「や、やめろ…!やめてくれぇぇぇぇ!!!!」
カイルは容赦なく剣を振り降ろした。
無残な姿となった男を見降ろし、グループに戻った。
「もう…いやだ…もう殺したくないよ!どうして僕が…こんなことをしなきゃいけないの?」
ココはカイルの部屋。部屋と言うよりも独房に近い。
食事はパンとカレーと牛乳。カイルは牛乳が苦手だった。
「カイル?どうしたの?」
「シルフィア…僕もう殺したくないよ…。いつも人を殺してばかり。
お父さんとお母さんの所に帰りたいよぉ」
「泣かないでカイル。男の子でしょ?ホラ私のパンをあげるわ」
そう言って少女は、シルフィアはカイルにパンを差し出した
そしてカイルの苦手な牛乳を貰って行った
「シルフィアはこんなこと、イヤじゃないの?」
「私だってイヤよ。でも仕方ないよ、やらないと私達が殺されちゃうもの」
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