第二章「適正魔力検査」

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理事長の紙ヒコーキによる案内で無事教室に辿り着いた私は転校生ではなく新入生としてクラスに入った。席はカイルの隣。 「えぇじゃあまず、軽く自己紹介でもしておくとするか!俺はニック。お前達の担任だ 適正魔力は火、以上だ!じゃあ次はお前から」 指された生徒が順に自己紹介をしていく。 そしてカイルの前の席の少年が自己紹介を始めた。制服の着方が悪い。いわゆる問題児? 「えぇっと、トーマでぇす。適正魔力はまだわかりません。好きな物は…」 少年はどうでもいい好きな物で間を開ける。…。 「いろいろ?」 どうして疑問形!?クラスの人間がその場でコケた気がした。 まぁいいか次はカイルだ。やはりカイルも制服の着方が悪く、青いマフラーをしている。マフラーの季節ではないと思う… 「カイルでっす!適性は雷」 そう言ってカイルはトーマの髪の毛を静電気のように逆立たせた。 「あ!おまえ!なにすんだよぉ!ぼさぼさじゃんか!」 「見ての通り仲良しです!」 どうやらカイルと一緒に入学式をサボっていたのはトーマだったようだ たしかに中は良さそうだ。 次は私か 「一之瀬恵美です。適正魔力はわかりません。体を動かす事が得意です」 私は皆が言っていたような事を真似てサラッと言った。 間違ってないよね?だいじょうぶだよね?すこし不安 私の自己紹介が終わると次々に別の人が自己紹介を済ませて行った。 ソレを見ているとただの手品師学校のようだった。 掌で火をおこしたり。突風を吹かせたり。カイルのように静電気を起こしたり。指先から水鉄砲などなど。結局適正魔力が分からないのは私とトーマだけだった。 「じゃあ一之瀬とトーマはこれから適正魔力の判別な!あとは自由にしていろ!」
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