プロローグ

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きっかけは些細な物って誰かが言っていたけれど… 私こと、一之瀬恵美(イチノセメグミ)が出会ったきっかけはとても些細な物なんかじゃなかった… 息を整え気分を落ち着かせて私は走り出した。 誰よりも早く。誰よりも綺麗に。誰よりも高く飛ぶために。 ――――――――――――― この世界にはパラレルワールドと呼ばれるもう1つの世界がある。そう偉い学者さん達は言っているらしい。 パラレルワールドとはいわゆる、もしもの世界。たとえば私がいない世界とかもあるかも知れない。 私はある人からの命令で、いま禁魔を使おうとしている。 家にあった古い書物。それにはこう書かれていた。 別の世界から時空を超えて行き来することが出来る魔法。 しかし、それによってこ……読めたのはここまで後は魔法に必要な詠唱とこれが禁止された魔法。禁魔であること。今の私にとってはそれだけ分かればいいと思った。 「よぉし!始めるよ!」 目を閉じ、息を整え詠唱を始める。 もうすぐ私。シルフィア・ケーニヒの夢が実現できる! ――――――――――――― 「メグ!今日の体育の高跳び!すごかったね!!」 「えへへ、正直自分でもあんなに飛べるとは思ってなかったよ」
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