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「うん、わかった」
私は茂みに隠れて着替える事にした。
そして着替えが終わりさっきの少年に彼の制服を返した。
「おぉ、けっこう似合ってるね」
少年は手渡された制服を着直してそう言った。
こんなところで褒められるとは思っていなかった
「で?どうするんだ、君は?」
「帰るしかないでしょ、多分だけどテレポート系の魔法に失敗したんだと思うよ」
聞きなれない単語が出てきた。魔法?テレビとかによく出るあの魔法?
「あの…魔法って本気で言ってる…?」
彼らはきょとんとした表情を私に向けている。あたかもなにを言っているんだこの子はと言った表情だ。
「かわいそうに、頭を強く打ったのかもしれんな」
「記憶を失くしてしまったのか…」
「可笑しいのはそっちでしょ!魔法なんてある訳が…」
私はそこまで言うと口を閉じてしまった。どうしてって?だって目の前の少年の手の上で電気のような物がバチバチいっているんだもん。
「魔法は…あるよ。魔法のおかげでこの世界、セシリアは栄えたんだから」
「セシ…リア…?」
綺麗な響き…まるで女性の名前のようだった。
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