第一話

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「だから、ハナ。いつまで意味不明な事言ってんだよ。どういうルールの遊びなんだよ」 「遊びでは無いわ。たわけ。昨日、証拠を見せてやっただろうが」 「うっ!」 証拠。 そう、不思議なことに、この同居人が、何故此所に居るのかが、俺にはどうしても思い出せない。 ……昨日、コイツにオモチャの光線銃みたいなヤツで、撃たれてから…… それを、コイツは『証拠』だと言っているのだ。 「けどさぁ、お前親戚の子なんだろ?」 「ふん。それは今朝、親父殿に聞いた事だろう……貴様自身の記憶はどうなっておるのだ?」 思い出せない。 なんか、一昨日くらいに急に現れたとしか、思えない。 「一昨日の夕方だ。この家の家族及び親類縁者、ご近所の方々、各々の勤め先、学校、幼稚園の関係者等々……その全てに、記憶の改竄を行った」 スケールでけえな、おい。 「そして、昨日。貴様にかけた記憶の改竄のみ、解除したのだ」 「何で?」 こんな状況でアレだが、自分以外の全員がもれなく騙されているというのが、なんつーか、一人置いてきぼりをくらったような気分だった。 どうせなら、俺も騙しっぱなしでいいのに。 って考え方は、ちょっと変かな?
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