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「だから、ハナ。いつまで意味不明な事言ってんだよ。どういうルールの遊びなんだよ」
「遊びでは無いわ。たわけ。昨日、証拠を見せてやっただろうが」
「うっ!」
証拠。
そう、不思議なことに、この同居人が、何故此所に居るのかが、俺にはどうしても思い出せない。
……昨日、コイツにオモチャの光線銃みたいなヤツで、撃たれてから……
それを、コイツは『証拠』だと言っているのだ。
「けどさぁ、お前親戚の子なんだろ?」
「ふん。それは今朝、親父殿に聞いた事だろう……貴様自身の記憶はどうなっておるのだ?」
思い出せない。
なんか、一昨日くらいに急に現れたとしか、思えない。
「一昨日の夕方だ。この家の家族及び親類縁者、ご近所の方々、各々の勤め先、学校、幼稚園の関係者等々……その全てに、記憶の改竄を行った」
スケールでけえな、おい。
「そして、昨日。貴様にかけた記憶の改竄のみ、解除したのだ」
「何で?」
こんな状況でアレだが、自分以外の全員がもれなく騙されているというのが、なんつーか、一人置いてきぼりをくらったような気分だった。
どうせなら、俺も騙しっぱなしでいいのに。
って考え方は、ちょっと変かな?
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