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「さて、そろそろ本題に移ろうか」
ガキンチョは、人差し指でついっと、黄色い園児帽(他に呼び名あんのかね)のふちを跳ね上げた。
なんで、そんなニヒル?
「よく聞けタケシ。私が地球に到着するより早く、悪人はこの星に潜り込んでいる」
ああ、まあ追ってきたって言ってたしな。
「ちなみに、到着は私が一昨日で、悪人どもが二ヶ月前だ」
「だいぶ離されてるっっ!?」
よく見失わなかったと、言うべきか。
「そう言うな。宇宙的に見れば、タッチの差だ……ともあれ、そのせいで奴等は私が来る前から、着々と侵略を始めている」
「でも、特に何にも起きてないぜ」
ハナは、俺の言葉を聞いて、あからさまに溜め息をついた。
「私達も、悪人どもも、異星人は記憶を改竄できる」
成る程。
ハナ達、正義の宇宙人側だけの技術じゃないんだ。
て、ことは色々厄介そうだな。
「やっぱり、私の言っている意味が、わかってないようだな」
そうして、先ほど帽子のふちを跳ね上げた人差し指で、空を差した。
「さっきから、上空を飛んでいる『アレ』、なんという名前の乗り物だ?」
「何って……」
なんだ?急に。そんなの決まってるじゃないか。
俺は、自信満々に答えた。
「UFOだろ。別に珍しくもない」
当たり前じゃないか。何言ってるんだ全く。
…………………アレ?
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