第一話

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「さて、そろそろ本題に移ろうか」 ガキンチョは、人差し指でついっと、黄色い園児帽(他に呼び名あんのかね)のふちを跳ね上げた。 なんで、そんなニヒル? 「よく聞けタケシ。私が地球に到着するより早く、悪人はこの星に潜り込んでいる」 ああ、まあ追ってきたって言ってたしな。 「ちなみに、到着は私が一昨日で、悪人どもが二ヶ月前だ」 「だいぶ離されてるっっ!?」 よく見失わなかったと、言うべきか。 「そう言うな。宇宙的に見れば、タッチの差だ……ともあれ、そのせいで奴等は私が来る前から、着々と侵略を始めている」 「でも、特に何にも起きてないぜ」 ハナは、俺の言葉を聞いて、あからさまに溜め息をついた。 「私達も、悪人どもも、異星人は記憶を改竄できる」 成る程。 ハナ達、正義の宇宙人側だけの技術じゃないんだ。 て、ことは色々厄介そうだな。 「やっぱり、私の言っている意味が、わかってないようだな」 そうして、先ほど帽子のふちを跳ね上げた人差し指で、空を差した。 「さっきから、上空を飛んでいる『アレ』、なんという名前の乗り物だ?」 「何って……」 なんだ?急に。そんなの決まってるじゃないか。 俺は、自信満々に答えた。 「UFOだろ。別に珍しくもない」 当たり前じゃないか。何言ってるんだ全く。 …………………アレ?
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