ゼロの人間達

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「おまえ、昨日、泣きながら走っていただろう?」 益々、ムッとする。 「ごめん、ごめん、気を悪くするなよ。それよりもサッカーやりたいなら来いよ」 どうせ、ボール拾いだ。3年間ボール拾いで終わる、学校の人生は先が見えていた。そう思うと、何故だか知らないおっさんに着いて行く気になる。人として扱われていないのだから、今日一日くらいはいいだろう。一人抜けても気にもされないだろう。少年は着替え、とっとと帰ってしまう。
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