1 女の子

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初めての友達や、 幼稚園からの友達。 そんな中、 自己紹介がまわってきた。 女の子 「名前は、和立<ワダチ> まゆと、言います。宜しくお願いします。」 ひそひそと、 誰かの声がする。 「あの子の、 お父さん、お母さん 見たことある?」 まゆは、無言で着席した。 入学式が終わり、 まゆは、祖父と帰宅した。 まゆは、半泣きで言った 「お父さんって… お母さんって… なんやの? みんなにはおるん? まゆには、 おらへんの?」 祖父母は黙っていた。 祖母 「今日はお祝いやさかい、 ないならあかんのやで!!」 まゆは、黙って 下を向いていた。 まゆの部屋には、 新しい机とランドセル。 辞書や地球儀に天体儀を 祖父が、机や本棚に 置いてあった。 まゆのまだ、幼い心の中。 ただ、頷いて 涙を拭いて 新しい机に向かって、 (まゆ、頑張るわ) そう誓ってみた。 夕飯には、 元気なまゆを見て 祖父母は安堵した。
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