1 女の子

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運動神経の良いまゆが 目立ったのは、 二学期の運動会だった。 四才から空手を やってることも あってなのか? 走るのは、上級生さえ びっくりするほど 速かった。 祖父母は 大喜びで応援していた。 そして、保護者との お弁当の時間。 まゆは、ぎこちない笑顔でお弁当を食べていた。 食べ終わってから、 一人で座っている孫を 見て祖父母は確信した。 (両親の居ない事で 孫に、何かが 起こっていることを) そんな時、 クラスメイトの中の 一人が叫んだ。 「和立の親って ジジババや~」 そこには、 笑い声さえ混ざっていた。 まゆが振り向き、 祖父母を見た。 まゆ(おじいちゃん、 おばあちゃん 悲しいん?) そう思った時、 まゆは、立ち上がり 叫んだ子に向かって走り 凄い勢いで 飛びかかり殴り続けた。 先生などが止めに来た時 まゆは、涙を堪えながら まゆ「次言ったら、 許さへんし!」 そう言った。 引き続き運動会は 続いたが、 まゆが笑うことは 無かった。
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