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考えにふける誠の肩を赤い顔の村木が抱いてきた。
「なにしみじみしてんすか、
誠さんには似合わないから止めましょう。
ねぇ~美里ちゃん」
誠の膝の上に座ってる美里に笑顔を振りまく。
『…こいつも既に酔ってるな』
美里はジュースを一口飲んで村木をじっと見る。
「村木のお兄ちゃん、ありまきねん残念だったね」
「……」
顔を硬直させた村木は黙り込んでしまった。
「まぁしゃあないわな、人気も無かったしな」
そんな村木に二ノ宮が助け船を出す。
村木は先週の有馬記念で3歳馬ロイヤルタップに騎乗、見せ場も無く8着に敗れていた。
誠は村木の頭に手を置く。
「勝負所で他の馬に付いていけなかったしな、若いしこれからの馬だよ」
「…いいですよ、どうせ、俺が下手なんですよ」
『…あ~あ、またへこんじまった』
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