冬の終わりそして春へ

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ドン、と千春が机を叩く。 「おい!村木、お前またへこんでんのか? ったく負けるたびにメソメソしやがって。 誠を見ろ! 今までどんだけ勝てなかったと思ってるんだ。 しゃきっとしろ!」 『……今しれっと俺にも酷い事言ったな』 鼻をすすりながら村木は顔を上げる。 「そうですよね、誠さんに比べたら俺なんかまだ可愛い方ですよね」 『……こいつもか』 とたんに元気になる村木を無視して二ノ宮を見る。 二ノ宮のグラスにビールを注ぎながら誠は聞いた。 「先生、アルテシオンの今後なんですけど」 二ノ宮はちびちびとビールを飲む今井を見た。 「今井さん、アルテシオンですが来年もヤネは誠で良いですか?」 今井は笑顔で答えた。 「もちろん、来年のクラシックも田城ジョッキーにお願いします。 これはオーナーの望みでもありますから」 「有り難うございます。 まぁ気に入らなかったらいつでも降ろして下さい。 こいつは昔から調子に乗るとろくな事せんから。 いいな誠!」 「…はい、宜しくお願いします」
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