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「本当にこいつが入って来た時はまぁ生意気で…」
『ヤバイ、先生得意の昔の話が出だした』
膝の上の美里に声をかける。
「美里、そろそろ眠いだろ、お布団行こうか?」
「ううん、まだ眠くないよ」
「…でも明日辛くなるから」
「冬休みだから大丈夫」
「……」
「こいつは人の言う事も聞かないし周りとケンカはするし…」
二ノ宮の昔話も熱を帯びてきた。
「女グセは悪くてしょっちゅうもめ事起こすし…」
『…これはますますヤバイ
気のせいか千春さんから殺気が漂ってくる』
二ノ宮の演説を聞かされていた今井が微笑みながら言った。
「二ノ宮先生は田城ジョッキーの父親みたいですね」
二ノ宮はビールをあおりながら苦笑する。
「まぁこいつは若いうちから親御さん亡くしとるしな…
もっともこんな息子おったら手に余ってしょうがないわ」
最後は照れ隠しなのか二ノ宮は笑いながらグラスを開けた。
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