13人が本棚に入れています
本棚に追加
キンコンカンコン、と
終わりの鐘が鳴り響き、やがて生徒たちは自宅へと帰る
決められたスケジュール通りに行動し、同じ様な毎日を過ごす
ああ、なんて哀れな者達だろう
なんてニヒルにならないでとっとと帰るか
窓際から校門を見るのを辞めて、帰宅の準備をする
「龍一!一緒に帰ろう」
そんな彼に後ろから声がかかる
御剣天馬
成績優秀スポーツ万能でイケメンの神に愛されたような男
彼は唯一の親友とも呼べる存在だ
「ああ、いいぜ」
いつもと同じように世間話で盛り上がり
いつもの場所で別れる
「じゃ、また明日」
「ああ、また明日」
天馬と別れたあと真っ直ぐ帰っていると途中の道にある公園から怒鳴り声が聞こえてきた
「お願いします今日は勘弁してください」
土下座をしている学生の前に二人のチンピラが立っていた
「うるせえ!とっとと財布ごとよこせ」
「さっさとよこさないと、どうなるか分かってるよな」
片方の男がポケットからナイフを取り出す
「さあどうする?財布を渡すかそれとも.... 」
「ひぃっ!」
学生は尻餅をついて後ずさっていく
そこに近づいていく男たち
「面倒くさいが仕方ない」
公園の入口に鞄を置き、チンピラ二人へ近づいていく
「ちょっと待て」
「ああん」
「なんだてめえ」
絵にかいたようなチンピラ二人が振り向く
「一度だけ言う、今すぐナイフをしまって家に帰れ」
「なんだそりゃあ」
「そりゃこっちの台詞だろうが今すぐ土下座して謝れば許してやる」
あまりの雑魚発言に哀れに見える
「いいか、忠告はしたからな」
龍一は肩を回し、二人との間合いを測る
「なんだ、舐めやがって」
「ぶっ殺してやる」
そういって一人の男が突っ込んでくる
最初のコメントを投稿しよう!