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｢おっぱいって……どんな感触がするんだろう……？｣
季節は春。外では陽気な心地良い空気が漂う中、リアは喫茶店内のカウンター席に突っ伏し静かにそう呟く。
｢……おい、リア。もしうちの娘の前でそんなこと言ったら、ただじゃ済まさねぇからな｣
すると不意に、リアの何の脈絡もなく呟いた言葉に対して、カウンター席の奥で古くなったコーヒーメーカーの手入れをしていた男が笑顔を引き吊らせて警告する。
見ため３０代の、気さくな性格の男性。本名はダリル・リジット。青い瞳に、少し老け始めが見える顔立ち。色素の濃い茶髪を短髪に整え、従業員用の制服に身を包んでいる。
また、リアがよく通う喫茶店、マーブルの店長でもあり、その気さくな性格からトロアークでの人脈は広く、彼と親しい間柄の者も少なくはない。
｢はいはい……。そんなこと、わざわざおっちゃんに言われなくても分かってるよ｣
そう言うと、リアは突っ伏していた頭を上げ、気の抜けた大きな欠伸をする。一方、その様子を眺めていたダリルは溜め息混じりに呆れたような声音でぼやく。
｢まったく……。３年前、この街を救った英雄がなんて気の抜けた顔してんだ｣
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