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「そう言えばラウのやつ、しばらく前から見かけないな」
そう呟いた後、リアは静かに目を瞑りこの家の飼い猫である猫、ラウの姿をイメージする。すると、頭の中にある1つの不可思議な文字の配列が浮かび上がる。
――ミ6那レな・ピレル・に振7ろ――
脳裏に浮かび上がったその文字の配列を記憶すると、リアはすぐに疑問に満ちた表情になる。
「この座標って、確かリヴェルス魔法学園の辺りだよな。あいつ、なんであの辺りにいるんだ?……まあ、いいや。どうせまたいつもの気紛れだろうし、帰って来ないってことは食べるものにも困ってないんだろ。後で暇な時にでも迎えに行くか……」
ゆっくりと立ち上がり、再び眠そうに大きな欠伸をする。その瞬間、やはり食欲よりも睡眠欲の方が勝っていることに気が付き、リアは食事は諦め大人しく2階にある自室へと向かう。
「最近、妙に眠気が続くな……。春だからか?」
階段を登りきったところから、最も近い位置にある扉。そこがリアが自室に使っている部屋であり、室内の広さも充分過ぎる程ある。
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