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ベッド、タンス、本棚、机、椅子、テーブル、ソファー。どれも至って普通の家具で、室内に怪しいものや物騒なものなど一切置かれていない。ただ強いて言えば本棚に並べられている本の中に、成人向けの雑誌が数多く混ざっているということくらいだった。
リアは自室に入るなりベッドに倒れ込み、うつ伏せのまま静かに目を閉じる。
「(シャワーは……明日の朝にでも浴びるか……)」
そして、その思考を最後に、リアはそのまま深い眠りへと就くのだった。
その日、リアは夢を見た。
最も後悔の大きな時間を、過去の記憶を再生するように――。
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
場所は自宅の玄関。外は暗く、夜遅い時間帯にも関わらずリアは1階からする物音で目が覚め、半ば寝惚けながらも階段を下る。そして階段を下り終えた先にある玄関で、ある1人の男が外出しようとしているのに気が付く。
「ん……クエル?そんな格好でどこに行くんだ?」
リアは眠い目を擦りながらも、防具姿を大きめのローブで隠した服装の男にそう尋ねる。すると、男は少しだけ申し訳なさそうにその口を開く。
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