計画

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ようやく試験も終わり、待ちに待った夏休みに入った。もうすでにセミは大合唱を始め、外を歩く人に無理やり歌を聞かせるジャイアンのようである。ジャイアンから逃れるようにエアコンの効いた大学の食堂で私は友人のトシと夏休みの計画を立てていた。 「どこかいきたくない?」 「まあね、夏だし夏らしいところがよくない?」「あっ、花火大会・・・てまだやってないや」 と雑誌を読みながら他愛もない会話を続ける。 「心霊スポットとかどう?夏らしいでしょ?」 「グッドアイディア!」 金のない貧乏学生である私たちが考えているのは海外旅行などの大金のかかるものではなく、近場に日帰りでいけるドライブ的な旅行であった。
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