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「ああ、そう言えば会長さんも残ってたんですね」
「きゃー会長さんマジ空気ー」
相も変わらず会長の方を見向きもせずに、蒼は呟く。
さらりと、奏も毒を吐いた。
「蓮妹はこんなキャラだったのか!?それとも一条蒼に毒されたのか!?
…………まあいい。それより、さっさと学校に行ってもらうぞ。私に恥ずかしい過去なんて無いし、言い合いでも負ける気がしないからな!」
ビシッ!と蒼に指を向け、見下ろす会長。
人に指を指しちゃいけませんって習わなかったのか、とぼやきながら、蒼は口を開く。
「んじゃ、あなたに参ったって言わせたら、さっさとそちらだけで学校行ってもらえます?」
「ああ、出来るものならな!」
ふんぞり返って鼻を鳴らす会長。
そうですか、と言う蒼を見ながら、ああ、終わったな、と明宮奏は思う。
人に完璧な人などいない。必ず、何かしらの弱点がある。
例え黒歴史が無くても、必ず、弱点を見つけ出す。
それが、一条蒼という男だから。
それでは、と一度咳払いをし、初めて会長の方を見、じっと彼女の目を見つめて、言った。
「…………納豆」
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