妬ましい 妬ましいったら 妬ましい

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「………さて」 考えをまとめるために、少しのため息と、わずかのぼやき。 冷静なことに定評(笑)がある一条蒼でさえ、この状況は理解出来なかった。 少しだけ、状況を整理しよう。 物思いに耽っていた蒼をリコリスが呼び、蒼は誘われるがまま誘導されていたはずだ。 この家の二階はどうやら使っていないらしい。 やはり、無駄に広くても使用する部屋数には限界があるようで。 そして、客間か応接間かよくわからない部屋から出てさらに奥の方へと行くと、家とは言えないようなながーい廊下にぶち当たる。 二階への階段は廊下の一番奥にあるのだとか。 さて。 その廊下には左右にドアらしきものがいくつもあり、奏には一番手前、左側の部屋が与えられた。 順当に考えれば、蒼は奏の隣、あるいは正面に部屋を決められるはずなのだが。 リコリスは何故かぐんぐん奥へと進んでいって、一番奥、右側の部屋に半ば強制的に入れられた。 何故かリコリスもこの部屋に入り、彼女に言われるがままにベッドに寝転がって。 そして何故か寝転んだ俺の隣にリコリスも寝転がって、抱きついてきた。 そして現在に至る。 「どうしてこうなった………」
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