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「…………ふ、ふん!だから何だ?私はそんなもの嫌いでも何でもないんだからな!」
おや、と奏は疑問を抱く。
蒼ならば、人を一瞬で発狂させる程度の『ネタ』を持っているはずなのだが、会長はギリギリ平然を保っている。
まあそれでも、弱点をさらけ出したことに代わりはないのだが。
「さあ、どうした?それで終わりか!」
「………山芋」
「ぐ………ぬう…………」
「………オクラ」
「くっ………まだだ、まだ終わらんぞ………!」
「んー………」
おろろ、と奏はまた疑問に思う。
珍しく、蒼の口が止まった。
相手が泣いて懇願するまで、ずっと口を止めないはずなのに。
泣いてもやめないが。
少し手助けでもしてあげようか、と考えて、思考をこらす。
納豆、山芋、オクラと来て、共通するもの。
………ああそうか、と気づく。
さて、と小さく呟いて、奏は口を開いた。
さあ、言おう。
「会長さん、会長さん」
「な、なんだ、蓮妹?」
この冷や汗ダラダラの会長さんに。
「モロヘイヤ」
満面の笑みで。
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