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「先程はお楽しみでしたね!」
「本当に心から祝ってくれてるんだったらさっきまで抱きつかれてた方の腕をつねるのやめてくれないかな。もう感覚がないんだけど」
「知らねーです」
奏は万力のような強さでつねっているように見えるが、どうやら本当に感覚が無いらしく、蒼は平然としていた。
それに腹が立った奏がもっと強くつねり、皮膚が青紫色になっていることには触れないでおこう。
「あ、あの、デリバリー頼むんですけど、何が良いですか?」
「…………っち」
「リコリスさんや。おそらく俺が君をおんぶしてるせいで奏さんが不機嫌なの、解ってる?解ってるよねぇ?絶対わざとだよねこれ?確信犯だよね?」
一瞬の沈黙の後。
「あ、あの、デリバリー頼むんですけど何が良いですか?」
「スルースキル歪みねぇな」
「あるんならパフェを頼みましょう」
「いやそれ晩飯じゃねぇから。絶対おやつに分類されるから」
「パフェをおかずにご飯を食べるんですよ」
「甘いわ。ぜってー甘いわそれ」
「なんですか。知らないんですか?前の世界では流行ってたんですよ?」
「嘘だろ。絶対嘘だろ」
「あの、アオイさん」
「な、なんだ?」
「………私、三日に一日はパフェがおかずです」
「ほらみなさい」
「なん………だと………!?」
………パフェはおかずに入るのか?としばらく本気で考えた蒼でだった。
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