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「「………ふぅ」」
二人で茶を飲みつつ、まったりゆっくりと時を過ごす。
これこそ、俺の望んだ日常だよなぁ、と心に思いつつ、蒼は奏に言う。
「あ、そう言えばようかんあるぜ、食うか奏さん?」
「いいですね、いただきましょう」
「待て待て待て待て!」
その『平和な』日常を一喝で現実に引き戻す人がいた。
すっかりスルーされていた、生徒会長その人である。
「一条蒼は早く支度をしないか!蓮妹も便乗してないで早く行くぞ!」
「わたし、蓮妹って名前じゃありますぇーん」
「そんなこと言われたって、ねぇ?蓮と奏さんは許可してるけど、貴女たちなに?不法侵入ですよ?訴えますよ?」
「蓮さんは私のものだから、私はいいんです!」
「ああ、いたんですか来栖さん。一言も言わなかったのでてっきりアウェー感に襲われてさっさといなくなってたと思ってました。つーか何ですか?蓮は『もの』じゃありませんよ?立派な人権侵害ですぜ?あ、お金で人権買収ですか。さすが金持ちはやることが違いますね。もちろん嫌みたっぷりと、主にお前ら腐ってるな的な意味で。きたないなさすが金持ちきたない。ねぇねぇ、どんなキモチ?ここまで言われるのってどんなキモチ?」
「………うぅ」
マシンガントークにまくし立てられ、何も反論できずに黙り込んでしまった。来栖明海17歳。
無表情で淡々と言われている、というのもやはり堪えるのだろうか。
「ちょっと待て!まだ私が残っているぞ!」
再びairとなりかけていた会長が、叫んだ。
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