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「お前、あんな雪山でいったい何してたんだ? 俺が通りかからなかったら今頃……」
サンさんが尋ねる。
「旅をしてたら道に迷いまして。そしたら崖から落ちて……」
俺は旅の経緯を話した。
「そうか! 若いのに一人旅か! お前これから行く宛あるのか?」
「……無いです」
サンさんはしばらく考えると。
「お前良かったらうちで働かないか? その歳で一人旅なんて何か訳があるんだろ。旅は金もかかるし」
俺は即答した。
「良いんですか!」
お金がつき欠けた俺にとって願ってもない提案だった。
「よし! じゃー外に出るか!」
俺達はサンさんの家を出た。そこには雪山の大自然の高地に数少ない家が並んでいた。八百屋や武装屋や肉屋も並ぶも何処か寂し気で活気がなく、人気があまり感じられない。
「まずは漁業だ! 俺は漁師なんだぜ!」
俺達は村を外れて一時間歩くと、そこには川が広がる。
山頂の降り積もった雪が溶けだし、雪山にも関わらず水が貯まり川のようになっている。
そこには当然、大地の恵みとなる生態系がある。
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