裏切り?

2/16
前へ
/20ページ
次へ
2月14日、午前7時58分。 私立珠ヶ丘学園へと向かう私道を歩く。 お嬢様学校として知られる珠ヶ丘女子学園の兄弟校のため、結構レベルが高い。 私―淺野眞弓も、有名デザイナーのデザインした制服を着て歩く。 周りも同じ制服を着た女子高生が歩いている。 「ねぇ、マユ?聞いてるの!?」 「あ、ごめん…」 隣を歩いている私の親友―玉原(タンバラ)美空が話しかけてくる。 どうやら、美空も浮かれているようだ。 大事に抱えたバックに、何が入っているか、大体想像がつく。 「……美空、ちょっと怪しいよ?」 やんわりと指摘し、美空は肩をビクッとさせる。 「へっ!?な、何のこと?」 明らかに狼狽した態度を隠そうと、慌てて取り繕ったような答えが返ってくる。 少し可笑しくなって、私はクスリと笑う。 「何よ?何が可笑しいの?」 美空が唇を尖らせて抗議してくる。 その唇の上の鼻を指で押し、 「あなたの態度、可愛いよ?」 明らかなからかいに、美空の頬が紅くなる。 「も、もういいよ!!」 突っぱねられたが、また可笑しくなって私は笑った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加