~ミツセジュリ~

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~ミツセジュリ~

同日、20時、高見ハイツ前。 目黒駅から徒歩3,4分の所に、“彼女”のアパートがあった。 「被害者の名前は葉月広太、子供は光輝。 奥さんの方は今、旧姓を名乗って、この近辺のスナックで働いているそうです。」 「この時間は、まだ家にいるの?」 「職場に連絡したところ、今日は休みだそうで。 休日はいつも家に閉じ篭っているか、酒を飲んでいるかのどちらかだと。」 自棄酒か…、今でも事件の事を思い出して、泣いているのかも知れない。 私は、武藤と共に、アパートの階段を上り、彼女の部屋を探す。 彼女の部屋は確か…、205号室…、一番奥の部屋だ。 「鳴らしますよ…、準備は良いですか?」 そう言うと、武藤が部屋のチャイムを鳴らした。 私は、鞄の中で携帯を弄り、相槌を打つ…。 「はい…、どちら様ですか?」 インターホンでは無いので、彼女はドアを開け、顔を覗かせて返事をする。 …あれ?彼女、どこかで見た事が…。 「失礼ですが、三瀬樹里さんでいらっしゃいますか?」 「そうですけど…、あなたは?」 「私、警視庁の武藤といいます、少しお話を伺いたいのですが。」 あ…、間違いない、“あの時”の彼女だ。 「警察に話す事なんかありません、帰ってください。」 「こちらにはあります、失礼ですが11日の午後10時頃、あなたはどちらに?」 「あなたに話す理由がありません、お引取りを。」 「あの!!あなた、前に黒澤と話をしませんでした!?」 ドアを閉められそうだったので、慌てて話題を振った。 「…あなたは?」 「私、榎本友香里といいます、あなたでしたよね?椎名の犯行を目撃した人って。」 「何で…、あなたがそれを?」 やっぱり…、あの時、黒澤を連れて行った派手な女の人だ。 「私、あの時に一緒に黒澤の車に乗ってたんです。」 「それでか…、で?あなたは何で刑事さんと一緒にいるの?」 その時、武藤が私を遮って、彼女に言った。 「その黒澤さんが、何者かに襲われまして、彼女はその第1発見者でした。 三瀬さん、あなたには、この事件の重要参考人としてお話を伺いたいのです。」 了
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