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それまで残りの四時間を、どうやって過ごそうか……。
そう考えている時だった。
『退屈なら、わたくしと遊びませんか?』
「え……今の声は、誰?」
頭の中に流れ込んでくるのは、透き通った女の子の声。
何で頭の中に聞こえるんだ?
非現実的過ぎるだろ……。
『わたくしは……まだ、貴方に名乗ることができません。お会いしたときに名乗りましょう。ですから一度、この病院の屋上へと来ていただけませんか?』
その少女のような声によって紡がれる言葉たちは、僕から次第に考える力を奪っていく……。
あぁ、そう考えるのもだるくなってきたぞ……。
「分かった、行くよ。」
考えるのもだるい。
だから適当に応えてしまった。
そんなに適当に応えて大丈夫だったのか。
この時の僕はそれすら、かんがえようとはしなかった……。
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