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~??? side~
「やっぱり気付いてもらえなかった……。」
私の心は、さっきから酷く沈んでいた。
理由は彼――“ボク”に気付いてもらえなかったから。
私を見てほしい。
けど、彼は私を、私たちを信じてくれていないようで……一向に私に気付く気配が感じられない。
「どうすれば、信じてくれるのだろう……。」
「え……、今の声は、誰?」
うつ向いている私の頭上から、とうとつに彼の声が聞こえた。
え……?
私は期待と驚きが混ざったような感情を込めて、顔を上げた。
……あ、違う。
彼は私を“視て”もいないし、気付いた気配がしない。。
そもそも――彼は目を閉じ、頭を押さえているから。
……あれ?
それじゃあどうして、彼はそんなことを呟いたのだろう?
屋上から感じる気配。
もしかして、これに、関係があるのだろうか――?
私は、彼が飛び出していくのを見た後、ついて行こうと決意した。
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