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~Normal side~
僕によって開かれた屋上の扉の先に広がる景色。
そこは、あっけらかんとしていた。
辺りを見渡しても、特に誰かがいるような感じはしない。
それどころか、さっきの声の主らしきものの姿を見えやしなかった。
「いない……?」
僕がそう考えていたら、
『私は、上にいますわよ。』
またも唐突に、あの声が頭の中に響いてきた
その声に言われた通り、僕は顔をあげる。
「あ。」
屋上への扉が付いている、その小屋状のものの屋根にあたる部分から、“彼女”はまるで、吉森さんの如くひょっこりと顔を出していた。
「やっと会えましたね、暇を持て余している方。」
「……な、なにそれ――」
僕は彼女の声がちゃんと耳から入ってきていることに気付かないで、それよりも大変な事実に指を差していた。
「何って……あぁ、これは羽根ですわよ、吸血鬼特有の――というには小さすぎますが。」
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