真っ白な花

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そう、彼女が顔を出していると少しだけ見えてくる、その白い物は―― 誰がどう見ても、白い羽としか言いようがなかった。 それに、彼女はこうも言っていた。 “吸血鬼特有の――” 「きゅ……吸血、鬼?」 「はい、わたくしは白い吸血鬼です。」 白い吸血鬼って、何だそのメルヘンチックな設定は。 今時そういう凝ったコスプレとかしてたら、絶対に引かれると思うんだけどなぁ。 ……っていうか、彼女がしているのは、コスプレ、だよね? 「あー、それってさ。」 「それ……白い羽のことでしょうか?」 「いやいや、その恰好全部のことなんだけど……。」 「わたくしのこの恰好に、何か変なところがありますか?」 全部だよっ……ってつっこんだりしたら、もしかして敗けだったりするゲームに参加させられていたりするのか、僕は。 「うん、まぁそれってさ……何かのアニメのキャラクターのコスプレだよね?」
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