真っ白な花

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「ふーん……ねぇ、太陽の光を浴びてて平気なの?」 「少しの間なら……辛いですけど、大丈夫だったりします。長時間浴びてしまうと、灰になってしまうのですが……。」 「灰になる、って。」 「わたくしの目の前で灰になっていった吸血鬼を数人は見ました。仲間に裏切られて、太陽の下に張りつけられたりと、大抵は醜い理由なんですが。」 吸血鬼同士にも、醜い争い……殺人的なものとかはあったりするのか。 この情報も、果たして本当なのかは分かんないけど……彼女の真摯な瞳を見ていると、何だか信じたくもなってくる。 あれ……っていうか。 「太陽の下にいるの、辛いんだよね? 中に入りなよ。」 「えっ……ですが、わたくしが中に入って大丈夫なんでしょうか? 罠とか……。」 「吸血鬼用の罠とかって、あるの!?」 またも新しい発見。 さすがの僕も、これには驚きを隠せずにいた。 「――あります。」 彼女もきっぱりと言い切る。
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