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僕は、個人病室七○二号室の住人となっている。
団体は四人から、個人は一人用の病室である。
親がせめてもの思いで、個人病室を選んでくれていた。
せめて――。
僕は田舎から、単身東京へと移された。
田舎の病院では、僕の病気は治せないかららしい。
そこまで酷いという自覚は、僕自身あまりなかったのだが……まぁ、そういうことらしい。
両親は僕の治療費だけで精一杯手一杯だったので、僕と一緒に東京へと引っ越すことは、どうしても出来なかった。
……それが我が家の現状。
命を優先した結果がこれなのだから、誰も文句は言えないだろう。
そして、“せめてもの思い”というわけで、病室は僕が選んで良いということになった。
選べる自由があるくらい、僕の病気は酷いんだろう……僕はその時初めて自覚した。
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