真っ白な花

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そんなわけで、僕は今一人ぼっちなのだが……。 淋しいのか? 淋しくはない。 持参した漫画や小説を読んだりしていれば、気くらいは紛らわしていられるから。 「今日は何を読もう……これは読んだし、これも読んだし……あれも、これも――あ。」 ……なーんて思っていた矢先の今日、僕は全ての本を昨日読み終えてしまったことに今頃気付いた。 正直な話、結末の分かってしまっている二週目を読むのは、ご遠慮願いたい……。 が、しかしこれといってやることもやりたいこともなかったりする。 つまり、だ。 つまり僕は暇を持て余してしまったわけなのである。 暇だ……暇すぎる。 そんな時、救世主たる“物”が現れた。 「ボク君、朝食を持ってきましたよー。」 「ありがとうございますっ!」 この声の主は、いつも僕の看護を担当している、看護師さんの吉森さん。
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