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良く言えば、おっとりとした。
しかし悪く言えば――間の抜けた(自称)十九歳。
まぁ僕から見ると、見た目と外見は伴っている。
その人が、病室の半開き状態のドアの隙間から、ひょっこり顔を覗かせていた。
「あの……どうぞ?」
「ごめんねー……今、ドアを足で開けてるのー。」
下を見ると、確かにドアと足が異種格闘技戦を繰り広げたりしていた。
ガラッ……。
お、なんとか勝ったようだ。
吉森さんも、安堵の表情を浮かべている。
そんな彼女に、僕はベッドの上から話しかける。
「お疲れさまです。」
「あはは……ありがとね? はいじゃあ、これが今日の朝御飯だよー。」
「いつもと何ら変わり無いですね、これ。」
本当に、目の前に並べられた朝御飯たちは、いつもと何ら変わり無かった。
白米、味噌汁、鯖の味噌煮。
……あと、二本で一セットの箸がある。
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