沙耶 side

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私の名前は 姫野 沙耶(ひめの さや)。 都内の私立高校に通う1年生だ。 私は本気で人を愛したことがない。 "高校生だから普通"と思われるかもしれないが 私は本気で人を愛してみたいと 心から思っている。 この学園は、幼稚舎から大学までエスカレーター式の学園だ。 通っている生徒のほとんどは、財閥のご令嬢やご子息だとか。 とにかく、一流のお嬢様・お坊っちゃまが通う、超お金持ち学校だ。 それは私も例外ではない。 私の家は食品関係の会社を経営している。 海外のワインなどを輸入したり、高級料理亭とのコラボなど、ありとあらゆる食品関係を扱う、日本有数の会社だ。 そんな家の令嬢である私は、幼少の頃から、後継者としての教育を受けてきた。 そんな私には、付き人がいる。 洋風に言うなら執事が。 正直、いらないんだけどね。 お父様がどうしてもって言うから…。 『お嬢様、今夜のお夕食は何にいたしましょうか?』 執事の蒼井(あおい)が話しかけてきた。 『なんでもいい。あ、やっぱりパスタがいい』 『かしこまりました。』 蒼井は静かに車を動かした。
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