第一話

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社会人になれば、何か変わると思っていた。 周りから見ても自分から見ても、立派な大人だって、そう。 それなりに年をとって社会に出れば、勝手にそうなるもんだと思っていた。 だけど社会人になったところで、私は私。 他の誰でもない。 「ああもう、仕事やりたくないよ」 明日も仕事、ついでに言えば明日も明後日もその次も仕事だ。 しかもずっと立ちっ放しの、バスガイド。 朝は早くから起きて何だっけ? ああそうバスの掃除だよ。 帰ってきてもバスの掃除。 って、何でそんなに掃除掃除? 私はまだ見習い中だから、観光地の勉強だってしなくちゃいけない。 休みの日が来たって、休みじゃないんだ。 何で私って、こんなことしてるんだろう。 「うう・・・お風呂入って寝たい・・・」 勉強は大がつくほど嫌いなはずだったのに、何で社会人になってまで勉強しなくちゃいけないの? 学生時代は授業をサボって嫌々補習を受けるほど、だらけた生活をしていたのに。 何で私って、この仕事選んじゃったんだろう。
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