第一話

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「蛇占いとか書いてあるし」 見ればその人の脇には「蛇占い」と言う看板が立っていた。 占い師には間違いないけど、オカマも蛇占いも私は聞いていない。 だって私が聞いたのは、よく当たる水晶使いの占い師。 「・・・・・・」 せっかく来たのに無駄足だった、なんてことを考えていたら、私はその人と目が合った。 血色悪い唇で微笑む、その占い師。 大蛇丸にそっくりだ。 「つうか・・・大蛇丸子って書いてある」 引き攣り顔をしながらもう一度看板を見れば、そこにはちゃんと名前が書いてあった。 だけど大蛇丸子って何。大蛇丸の熱狂的なファンですか。 そんでそのまま名前にするとか、それってなくない? 「・・・貴女、私に用があって来たんでしょう」 「は」 「悩みがあって来たんでしょう?」 ? 黙ったままその場に突っ立っていたら、その人は私へ声をかけてきた。 私はちらっと周りを見てから、自分のことを指差す。
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