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相手は魔導学校の生徒だし、返事が返ってくるかも怪しいと思っていた。
しかし、彼は意外にも友好的だった。
「いや、こっちもぼーっとしてたし悪かった。でも、そんなことより同級生なんだから敬語はよせよ。」
「あ……ご、ごめんなさ…いや、ごめん。いきなりで焦ったからつい……」
「ははっ、そりゃそうか。ああ、一応自己紹介しとくと、俺はセレス・ウィラーだ。セレスって呼んでくれ。」
「わ、分かった。俺は……」
予想外の反応にうろたえながらも、俺は自分の自己紹介もしようとした。
だが、その必要はなかった。
「ああ、知ってる知ってる。確か……、クロア?って言ったっけ?」
「あ、うん、クロア・フィーリス。やっぱ、魔導学校で転校生って言ったら、いろんな意味で有名になるよね……」
あまり目立つのが好きではない俺は、自分の知名度があまりに上がり過ぎていることを改めて痛感し、若干落ち込んだ。
だが、相手はそんなことはお構いなしという感じだった。
「いいじゃん、それはそれで。地味な学校生活よりもそっちのほうが楽しいって!」
「そう……だね。いや、そうなのか?」
なんとなく彼、セレスとの会話は調子が狂う。
しかしまあ、冷たくあしらわれるよりは百倍も千倍もマシなので、悪い気はしなかった。
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