第二章

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  寮の前でずっと話しているのも時間の無駄なので、二人で学校に行きながら話の続きをすることにした。 ちなみに、学校の寮は三カ所あって、学校に近い順に第一棟、第二棟、第三棟となっている。 そして、俺たちが住んでいるのは第三棟なので、学校まで十分ほど歩かないといけない。 つまり話すには充分な時間があるということだ。 ついでにもう一つ言っておくと、入学式の前日に第一棟を見かけたときに思ったことがあった。 それは、出入りする人や車がやたら豪華だったということだ。 これはあくまで俺の憶測だが、おそらく貴族とかを優先的に第一棟から順に入れていくのだろう。 また、第二棟、第三棟とは違い、第一棟はほぼ校舎のすぐ横で学校の敷地内にあるので、ものすごく便利がいい。 そのことには俺も少なからず不平等感を覚えたが、楯突いたりしたら社会的立場が侵される危険があるので、そういうものなのだと無理やり受け入れた。 「なに考え事してんだ?」 ――と、不意にセレスから声をかけられた。 「え?あ、ごめんごめん。昔から考え事する癖があってね。」 いろいろと考えすぎてどうやら脱線しかけていたようだ。 俺は考え事をやめ、セレスから聞いたことを反芻することにした。 結局考え事をすることになったが……、まあいいだろう。
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