親の死

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収骨の際、私がゆりさんに付き添い様子を逐一みることにしました。 この時のゆりさんは、終始泣いて泣いて・・お骨を見てはまた泣いて・・の繰り返しでした。 それを見かねたゆりさんの旦那様が・・・ 「ゆり、お前のおかんだぞ!悲しくてもな、ゆりが骨を入れてやんなくてどうするだい?俺が隣についててやるからのど仏だけでも壷に入れるぞ。」 ゆりさん、この旦那様の一言に 「はい」 と短い返事をし、お二人でお骨を骨壷に収めておりました。 「よくがんばったな。ゆり、お前が納得するまでこのお骨は自宅においとくから。一緒に寝てもいいだろうし、おかんと話したりしな。ゆりの気持ちがおさまるまでな・・納骨はしないからな・・大丈夫だぞ。」 ああ・・なんてこの旦那さんは優しく、奥様のことを大切にしてくれているんだろう・・。 そういうゆりさんの旦那様を頼もしく思いました。 そして数分後、収骨が終わり収骨室から出てきたゆりさんは、その胸に骨壷を大事そうに抱き、マイクロバスに乗りました。 そして会館へ移動。
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