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「っ!」
自分を見る要の顔に、竜童は衝撃を受けた。
要が副会長を辞任したあの体育館で見たのとはまた違う、それこそ以前自分が親衛隊に向けていたような、嫌悪感が含まれる顔をしていたのだ。
自分はこんなにも要に嫌われていたのか…と思い、竜童は要ともう顔を合わせないようにしようと決めた。
竜童は、要に恋愛感情を抱いていた訳ではない。
ただ、要の容姿から親衛隊とはまた違う感情を、それに加え要の口調が竜童に妹のような目で見させていた。
他の役員がどうかは知らないが、少なくとも全員が要に恋愛感情とは違う好意を抱いていただろう。
生徒会のマスコットのような存在だったのだ。
それが今では…。
自業自得だとはわかっている。
光に惹かれ、仕事を放棄し、要一人に押し付けていた。
今となっては光の何処に惹かれたのかわからない。
光の言葉より、要からの言葉の方が竜童達の事をよく見ている事がわかった。
でも…もう要から言葉をかけられる事は無いのだ。
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