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「今日、転校生が来るってよ」
雲雀を職員室に送り、教室に向かった要。
入って席に着いた要に、開口一番辰起はそう言った。
そういえば雲雀を職員室に送った時、老師が雲雀に近付いていたな、と思う。
「あー、知っとるよ。その人自分の同室者でな。朝倉雲雀さんって言うん」
「何だ、そうなのか。朝から“美人が要と歩いてる”って噂が流れててな。何処の誰だって騒がしかったんだ」
寮から校舎に向かう道すがら、すれ違う生徒の視線のほとんどが雲雀を見ていた。
雲雀の秘密がバレるのは時間の問題ではなかろうか、と要は思った。
「朝倉雲雀です。よろしくお願いします」
老師に紹介され雲雀が教室に入った瞬間、クラス中(要と辰起を除く)が雲雀に惹かれた。
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